「バレンタインが近いから何か持ってきて」と職場の人に言われたので、調子に乗ってガトーショコラを焼いて持っていった。
甘さを抑えてブランデーを効かせた大人の味であったが思いのほか好評で、つまり私に対する好感度がアップした!ということである。
いや、みんな彼氏いたり結婚してたりするけど。
ま、そういう目的でもっていった訳ではないので話の種になったのであればそれで幸い。
近くに自分の作った物の実験台が大勢いる、ということはよいことである。
料理に限らず、何かを作ると言うことは受け手がいることで初めて成り立つ。それは自分自身でも構わないのだが、違う人間であった方がより面白い。そして多様な意見が聞ける。それをもとに発展していけば、限りなく質を高めていける。質の高い物を作れるようになる、ということは取りも直さず人生を豊かにする。その過程では自信や忍耐力、観察力などが養われる。そういった資質の高い人間は、何事にも成功する、というわけではないにしろ日々の決断や選択において誤ったものを選ぶ確率が低くなる、あるいは誤ったとしても修正が出来るようになる。
人生のあらゆる事に対しても真摯に、かつ慎重に取り組めば、もし幸せにはなれなくても、実りある人生にはなるだろう。
と日々思っているのだが、そこはそれ、やっぱり楽が好き。
ガトーショコラは電動ミキサーさえあれば超簡単かつそれなりの味に仕上がるので覚えておくと大変楽である。
焼き上がりが少し足りなくても生チョコ感覚のリッチな味わいに、きちんと焼けば外はサックリ中はしっとりの大人の味に、と言い訳が出来るところも素晴らしい。
微妙に焼き加減をしくじったときは、上から粉砂糖をふるってごまかすことさえ出来る。8分立ての生クリームにブランデーを混ぜたのを添えればそれだけで超豪華な味わいに、と変幻自在のお菓子である。
今回のレシピは職場のお姉様方に「狙った女の子にはこれを持っていけば絶対落とせる」とお墨付きを貰った。
女は食べ物で釣れ!
とか間違っているのか正しいのか判らない知識をいつも与えてくれるので大変頼もしいのだが、実戦する機会がないのが泣き所である。
とりあえず
超☆彼女募集!
いまなら特製ガトーショコラ付き!
とでも言っておけばいいのだろうか。
食い意地で釣られるのも何だかなぁ、と思ったりするが心などという目に見えないオカルト的なものを信じるより食い気だ!欲望だけが人間の全てだ!
とか思っているのでそれはそれで正しいのだが、何となく自分に好意を抱いて貰うのはやはり人格が尊重されたいな、と思いジレンマに陥る。
少なくとも、女性の心理を掴むのには色気と食い気どちらが有効か、という理論を構築できればノーベル平和賞は確実だと思う。
化学賞とか生理学賞は無理そう。
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