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本など

紹介してみたり。

マジック・フォー・ビギナーズ (プラチナ・ファンタジイ)

マジック・フォー・ビギナーズ (プラチナ・ファンタジイ)

短編集とは銘打ちながらも、実際は中編集に近いのですが、これまた全て珍妙奇怪な物語ばかり。
定石を外し、展開を外し続ける物語が実に予測不可能。
落としどころも奇妙なところで終わる、恐ろしさとは違った意味での怪奇な本。
物語って言うのはこういう風にも作れるんだなぁ、と目から鱗が落ちる思いでした。
面白いとか感動すると言うよりは、キツネに包まれたかのような読後感が味わい深い一冊です。
タイトルにもなっている「マジック フォー ビギナーズ」は量もたっぷりながら現実とフィクションが奇妙に交錯する逸品。
 
で、手代木先生の一冊。

えー、内容はスゲェ重いです。
問題提起作品集と名付けられている通り、自殺とか、別れとか、苛めとか、そういうものに焦点を当てられているので胃が重くなります。
しかし、久しくこの手の作品は読んでなかったので新鮮でした。
というより、むしろ少年漫画や青年マンガでは上手く避けられがちなところまで踏み込んでいる、少女漫画の世界は奥深いです。
絵柄のせいでそうは思われないこともありますが、少年漫画よりずっと真剣に現実を見ている気がします。
 
「手代木先生の、聖闘士星矢以外の本全部ください」と言ったらこれとデリバリーの2巻しかなかったわけですが、デリバリーの方も短編集っぽいみたいなので買っておけば良かった。
あとレジの男の人が「これ少女漫画ですけどこれで良いんですか?」みたいな事を聞いてきたので胸張って買ったぜ。
馬鹿め、面白い本に少年も少女もあるものか。

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