スティーブン・キングのダーク・タワーをようやく読了。
長い長い。
完結までに30年を要したって時間掛かりすぎじゃ。
実質、自分が待ったのは10年くらいだけれども。
サーラの冒険と言い、何やら自分の好きな作品は完結までが長いなぁ。
自分が死ぬまでに完結しない小説が幾つか出てきそうだ。
ダーク・タワーはそれこそ万人にお勧め出来る物ではないけれど、個人的にはかなり好みであった。
ついでに言うと、この作品は完結後にさらに巻末の解説を読んで完璧という感じである。
解説読むと「うわーそういうことか」的な発見がある。
最初からこれを狙って作っていたのだったら凄いな。たぶん、狙ったと言うよりはひらめきによる物が大きい気がするけれども。
この作品の見所は
最初は全然感情移入出来ない冷酷な主人公ローランド・デスチェインの人間性の芽生えとか
ヤク中や少年が、精神的成長を遂げて一人の人間として完成されていくというビルドゥングスロマン
5巻で最高潮に達するガンスリンガーの妙技
ちりばめられた愛
旅の道連れの小動物ビリー・バンブラーの「オイ」の健気さ
そしてキング特有の暗黒である。
目指す物、この世の中心、世界の象徴が「暗黒の塔」であるという事からも判るように、ローランド・デスチェインの行く手に広がるのはキング節全開のおぞましい光景であり、果てしなく死が満ちているのである。
このあたりはエルリックサーガを彷彿とさせるものがあるが、もっと酷い。悲劇的と言うよりは破滅的である。
そしてその理由こそは全てが完結した後に判るのだが、そこは伏せておくことにしよう。
絶望も希望も世界という大きなうねりの中のほんの一面に過ぎないと言う、キング独特の世界観が受け入れられるかどうかによって多いにとらえ方が違う作品である。
が、充実していたなぁ。
通勤2時間の楽しみが無くなったしまったのは少々残念ではあるけれども。
いかなる旅にも終わりはあるのである。
あ、そうそう
アンケートの結果はいつか反映される予定であり、必ず反映されるものの
「結果一つにつき一作品」じゃないです。そんなことをしていたら死んでしまう。
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