shadow Line

スザンナの歌

親戚が集まると、まず言われるのが「結婚しろ」である。
と言われても
相手がいなければどうしようもない。
ついでに収入とか健康に大いなる不安がある。
と言うようなことを話したら
見合いを組んで貰えるよう、叔母さん連中を説得したり努力しろ
ということらしい。
努力はした。
駄目だっただけだ。
しかし努力して駄目だったと言うことは素晴らしい。何故ならそのことで誰からも責められずに済むからだ。
この世にムダな努力は一つもない。
努力が失敗に終わっても、其処にはある種の誇りというか、慰めがある。
 
「頑張った、しかし駄目だった。
 だが行動したという点に於いて、お前は負けたわけではない。
 倒れてそのまま死ね、一握の砂となるように。
 いつか誰かが、お前という砂を踏んで前へと進んでいくだろう」
 
てなぐあいである。
努力の果ての死は無駄ではない。
耐えざる苦痛の果てにもきっと見いだせる物がある。
そして再び暗黒の塔への探求が始まるのである。
いつか、メイオウの平原が見つかりますように。

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