言葉は難しい
伝えるべき事柄を、言葉という枠に入れて送り出すには
経験と技量と、何より素材を吟味する力が必要だ。
100万の言葉を労しても伝わらないことも在れば
たった一つの単語で伝わることもある。
好意的な言葉は相手にとって快いイメージを与えるので受け入れられやすいが
否定的な言動や拒絶は柔らかくしようとすると伝わらない。
負のエネルギーをぶつけるのは、ぶつける方にとっても相応のリスクがあり
それを覚悟で口にしても伝わらなかったときの落胆、失望感は手痛いものがある。
ダメなものはダメ、受け入れられないものは受け入れられない。
割とはっきり言っているのに空気読めない相手だとただ疲れるのだけなのが人間関係。
けれど言葉はそんなことをするためにあるのではない。
言葉はイメージの媒介に過ぎないが、同時にイメージの具現でもある。
見えることのないものを、いかにして人に喚起せしめるか、それが物書きの腕の見せ所であり、本質であり、領域であろう。
始まりは終わりに過ぎず、終わりは始まりに過ぎず、
絶えざる環の内側にあって、その糸を夢幻の如く織りなすもの
そんな魔法使いのようになりたい。
気持ちの落ち着いているときには、良い言葉が出る。
良い言葉はよいイメージを喚起させ、それは人を良き方向へと促す。
そんな風に上手く行くことばかりではないのだけれど、日々の言葉は大事にしたい。
日々是作文、精進あるのみ。
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