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大河の一滴

なんだか今年は蛍が少ないようである。
いつも5,6匹は見かける場所にほとんど姿を見ない。
散歩に来ていた何処かのおっちゃんとも話したが、雨が少ないのも原因なのかも。
しかし、私が子供の頃は、実はあまり蛍はいなかった。
減反政策で稲作が減り、農家も縮小し人口も減ってきて、蛍が戻ってきたのだ。
皮肉な話だが、自然環境を回復させるには人間が居なくなることが一番の近道、という例である。
我々は自然無しでは生きていけないが、自然自体は人間をさほど必要としていないのだろう。
だから、東京や都市部に人口が収束していくことはある意味正しいとも考えられる。
人が集まったところは破壊されるが、それ以外の部分は回復させられる。
全てを救うことが出来ないのなら、患部は一カ所に留めておいて他を救う。
割と理にかなった方法だと思うのだが。
破壊された部分は回復させようと手を加るべきでもない。人のやることは大抵間違っている。
人間の守りたい自然というものは、結局自分の都合の良いものに過ぎない。
地球という大きな仕組みの前では、人間の小細工など愚かで矮小なものだ。
ぶっちゃけた話、環境が大切なら人間なんて皆殺しにすればよいのだ。
人間が一人残らず死ねば、地球は確実に良くなる。
あと50億年は、まさしく自然なサイクルで星としての寿命を全うできるだろう。
人口を維持しつつ発展すると言うことはもう出来ない時代が来ている。
資源だって限られているのだ。少子化は自然の流れだろう。
そもそも人口を増やす必要はない。
パイの面積が同じなら、食べる人数が少ない方が取り分は多い。
宇宙でさえも息絶える。この世に不滅など無い。
滅びが必定なら受け入れることがより人間らしい、などと思ってしまうのだが如何だろうか。
滅びを避けたいのなら、究極的には混血を促進して純血主義も廃していかなければだし、そのためには国家などというものも取っ払ってしまうべきなのだが、昨今の情勢を顧みる限り無理そう。
護るべきは今でなく未来だ、というのは判っているはずだが、誰もが今のみを生きているのだから難しい。

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