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群発頭痛の対処法・急性期編

群発頭痛の発作が起きるととにかく痛いし、苦しいし、のたうち回ることになるので急性期の治療が日常生活の平穏に直結します。
かつては選択肢がほとんどありませんでしたが、今は色々認可になったおかげで大分楽になりました。

イミグラン・点鼻薬

 強力な血管収縮作用を持つイミグランの点鼻タイプ。血管を縮めるので痛みの元となっている神経の圧迫を鎮めてくれます。
 鼻に突っ込んで使う使い切りタイプで、お値段は高め。かつての選択肢はこれだけでした。効き始めるまで15分ー30分くらい。痛む方の鼻は塞がってしまうことが多いので、反対側で使うといい感じです。効果時間は2時間くらい。
 使った後、苦い味が口に拡がります。まあこれくらいで収まるなら安いものです。

イミグラン・注射

 上記の薬を血管にぶち込めば、そりゃもう効果てきめんってわけよ。
 と言うことで、急性期治療の最右翼、効きの速さナンバーワン、お値段ナンバーワン、外でやったら注目度ナンバーワンの堂々たる特効薬。
 注射後5分で効くので、本当に助かります。
 自己注射キットが保険適用になっていますが、毎日打つことになるので正直しんどい。と言う理由から私は使っていません。あと発作回数が多すぎて、一日2回しか使ってはいけないイミグランを連発できないという事情もあります。

 認可直後、『あまりに発作がひどいので家族が見ていられない』という理由で入院したことがあり、その時これを試しました。
 入院手続きが終わった直後に発作が起きたので「さあ使おう!」と思ったら薬剤師と連絡が取れず、後述の酸素吸入も『せっかく注射使えるのだから……』という理由で先送りになり、1時間くらい悶絶。2時間だったかな。どちらにせよ、あの時の恨みは絶対に忘れないからな!
 なお、初回から効果はばつぐんでした。

イミグラン・錠剤

飲むタイプ。手軽に使えるので良いのですが、群発頭痛に使うには効きが遅すぎ。前兆が出てから飲んで、痛みのピークが来てから効き始め、治まる、というような感じなので、お守りとしては良いかもしれませんが、普段使うのはちょっとしんどい。

ナラトリプタン(アマージ)

 私のように発作回数の多い人間にとっては誠に助かるのがこれ。
 効くのに1時間くらいとかなり遅いのですが、効果時間が遙かに長く、私の場合最大で10時間ほど効きます。
 なので、治療薬兼予防薬として使っています。
 薬価の高さ、効果の遅さがネック。一日二錠でほぼ発作を抑えてくれますが、毎日700円かかることになるので一月のお薬代はなかなかのものに。
 また、常用するに従って徐々に効きが悪くなり、困ったことに薬物性頭痛という「薬を飲まないと頭痛が起きる」という厄介なループに入ることがあります。
 ただ、薬物性頭痛は数日耐えれば抜けるので、脱薬休暇を取って対処しています。

高濃度酸素吸入

 血管が拡がって頭痛が起きるのなら、何らかの方法で縮めれば良いわけで、その手段がこの酸素吸入です。高濃度と明記したのは、呼吸疾患で使うよりも遙かに多い、毎分7リットル以上を吸入するからです。薬局で売っている缶の酸素ボンベでは全く足りません。
 効きには個人差があるようですが、私の場合は絶大な効果があります。
 マスクを付けて吸入すると、7分くらいで波が引くように痛みが治まっていきます。コツは痛くても荒く息をしないで、ゆっくり深呼吸するように吸うこと。
 幾つかの病院にお願いして緊急時は駆け込みで吸入させてもらっています。近所の総合病院は、昼間はやってくれたのに夜間に駆け込んだら断られました。カルテあるんだからやってくれれば良いのに……。その時は消防署の人が救急車を出して助けてくれました。
 かつては在宅酸素療法が出来たのですが、薬事法改正で使えなくなり、大ピンチに。改正した奴め……憎しみで人が殺せたら……と思っていましたが、2018年から保険認可されました。

効かなかったシリーズ

ロキソニン

なぜか処方されましたが、当たり前のように効きませんでした。ナラトリプタンとの併用で作用時間を早めることが出来るという論文を読んだことがありますが、効果のほどは不明。

釣藤散

 漢方薬。頭痛に効く漢方として知られているそうですが、効きませんでした。
 釣藤散が選ばれたのは、おそらく早朝や起床時に起きるということからだと思います。
 群発頭痛に効くという漢方薬は他にも十全大補湯をあげた論文がありましたが、漢方は個人の体調や症状に合わせて処方するものなので、誰でも効くというわけではないと思います。
 あと副作用で唇がめっちゃ腫れてびっくりした。

ゾルミトリプタン

 ゾーミッグという名前のものが処方されたことがあります。
 OD錠( 口腔内崩壊錠)という水なしで飲める利便性の高い薬ですが、私には効きませんでした。

番外編・事故

 発作が起きて病院に駆け込もうとバイクを走らせたら、痛すぎてハンドル操作を誤って転倒したことがあります。その時バイクを起こして這い上がったら、あれほど痛かった発作が治まっていることに気づきました。
 原因は謎ですが、鎮痛及び血管収縮作用を持つアドレナリンが効いたのでは……と思っています。路肩に止めるつもりで減速していたので、ちょっとした擦過傷くらいで済みましたが、もう一回試す気にはなれないですね。